2012年12月23日日曜日

電子書籍 各ストア 「このマンガがすごい!」配信状況調査

 3連休、いかがお過ごしでしょうか。
 私は、家から一歩も出ず、電子書籍の大量購入で充実した日々を過ごしております(自虐ネタ)。


 さて、ここでやっている各ストアの配信数調査なんですが、一週間前から、スクリプトを組んで、自動でやるようになりました。ダブルクリックするだけで、しばらく待つと表が出来てきます。これまで、一時間ぐらいかけて、チマチマ手動で検索していたのが嘘みたいです。


 さて。

 今朝、ふと気がついたのですが、出版社での検索を自動で出来ると言うことは、それを応用して本のタイトルでの検索も自動で出来るわけです。

 ということで、スクリプトをちょいちょい(…のつもりが数時間かかって(汗))書き換えて、本のタイトルでの横断検索を試してみました。


 対象は、「このマンガがすごい!」受賞作。
 先頃、「このマンガがすごい」が発表されたときに、行きつけの電子書籍ストアを検索に行って、涙を飲みました。
 オトコ編/オンナ編各3位までの6作品のうち、2つしか配信されていない…。

 で、他の作品はどうなのか、他のストアはどうなのか、気になるじゃないですか。
 …ということで、調べてみました。

「このマンガがすごい!2013」ランクイン作品 配信状況



 ※このエントリーの最後で述べるような状況があるので、各作品の配信数は参考程度に見てください。
  特に、Koboの「10」というのは無視してください。

 「このマンガがすごい!2013」で、オトコ編・オンナ編の20位以内にランクインした40作品について、各ストアで「作品タイトルAND著者」で検索をした結果のヒット数を示しています。

[各ストアの傾向]
 一番下に、各ストアでの配信作品数を示しています。
 各ストアの配信作品数は、紀伊國屋の15作品からhontoの23作品まで、それほど大きな差はありません(角川グループ専業のBookwalker除く)。
 定期調査をしている「出版社積み上げ方式」では、最下位Koboから一位hontoの間に約2.3倍(先週のKobo急増の前は約2.8倍)の差があることを考えると、この差は相当小さいです。
 やはり、どこのストアも、人気のある作品から配信する傾向があるようです。

 配信数としては、40作品中23作品ですので、半分ちょっと。
 特に、ランキング上位の配信が少ないのも含めて、「もう少し頑張って欲しい」というのが、私の感想です。


[出版社]
 出版社で見ると、講談社のガンバリは定期調査と同様ですが、その講談社でもストアによっては、配信されていない作品が何作品かあるのに驚かされました。
 小学館・集英社はオトコ編ではそれなりに配信していますが、オンナ編の配信数は少ないようです。男性向けの漫画から重点的に配信する戦略をとっているのかも知れません。


[作品]
 上にも書きましたが、全体的な傾向として、オトコ編の方がオンナ編よりも配信されています。男性の方が、電子書籍ユーザーに多いということでしょうか。
 オンナ編では、上位の作品より中位の作品が配信されている傾向があるようです。これは、「ちはやふる」「大奥」など、ある程度評価の定着した作品が中位にいるためと考えられます。

 全ストアコンプリート作品は「進撃の巨人」だけでした。なお、Bookwalkerを除く8ストアコンプリートは結構あります。
 「ちはやふる」が、既刊19巻のうち、どのストアでも13巻までしか配信されていないのは気になりました。電子書籍に積極的で同日発売なども行う講談社なのに。
 荒川弘「銀の匙 Silver Spoon」が配信されていないのは少し意外でした。小学館は「マギ」など人気作を重点的に配信していたので、てっきり配信されていると思っていました。同じ作者・別出版社の「鋼の錬金術師」「百姓貴族」は配信されているので、なにか、小学館・作者間の契約上の理由があるのかも知れません。
 「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」のタイトルが潰れるのはどう考えてもタイトルが悪いです。

 さて。
 こうして見てみましたが、「このマンガがすごい!2013」は発表されたばかりです。
 こういった賞には「知られざる名作を発掘する」という側面もあるはずなので、現在、知名度が高い作品ばかりとは限りません。また、今回の結果をふまえて、配信を開始するとしても、まだ先のことになります。
 では、発表された結果による影響がどうなるのか、昨年の「このマンガがすごい!2012」作品を見てみました。


 じゃん。

「このマンガがすごい!2012」配信状況




 ちょうど一年前に発表された「このマンガがすごい!2012」ランクイン作品の、今日現在での配信状況です。
 ランクインによって、知名度が上がり、その後、1年。…その影響がどう出ているのか。

 各ストアの配信作品数は、一番下に、先ほどの「このマンガがすごい!2013」の配信数と並べて書きました。
 各ストア、2013よりも2~4作品ずつ増えている感じでしょうか。
 …ちょっと期待はずれ?

 おそらく、1年前、「このマンガがすごい!2012」発表時のこれらの作品の配信数は、もっと惨憺たるものだったと思います。それが、この1年で、これだけ伸びた…と前向きに考えましょう。
 そして、この状態でスタートした今年のランクイン作品は、一年後にはもっと配信されていると期待しようと思います。
 
[傾向]
 こちらは、比較的オトコ編・オンナ編で偏らずに配信されているように見えます。 
 「3月のライオン」「あさひなぐ」あたりが配信されてないのは意外でした。
 やっぱり、小学館と集英社、あと白泉社には頑張って欲しいかな…。


まとめ

  • 各ストア、こういった知名度を上げた作品は同程度に配信してくるということが見て取れました。
    このあたりの作品を読むのでしたら、どのストアでも大差はないかも知れません。
  • その一方、出版社ごとの差・作品ごとの差は大きく出ています。
    このあたり、もう少し頑張って欲しいというのを、改めて感じました。
    特に小学館とか小学館とか小学館とか。集英社や白泉社も。(って、某ツ橋グループだ…)
  • 昨年の「このマンガがすごい」に関しても、同程度の配信状況で、これは、この1年間で電子書籍の配信状況が大幅に良くなったと前向きに捉えることにします。
    実際どうかは、来年の様子を見ましょう。


以上。

 【調査結果に関する注意事項】
  • 検索は「作品名 著者名」のAND検索で行いました。その範囲内で、間違ったものがヒットしている可能性があります。
    極力、目視で確認しましたが、間違っていた場合はご指摘ください。
  • 正しくヒットしていても、巻数よりも多く出ている場合があります。
    たとえば、「ONE PIECE」は、モノクロ版とカラー版があるため二重にカウントされています。、
    「進撃の巨人」は、小説版もヒットしています。
  • Koboは、なぜか、意地でも10件ヒットさせる仕様らしく、最低ヒット数が10になっています。
    一例:「ハイキュー」の検索結果。

おかしい、ブログを始めた当初は、こんなハイペースで更新するつもりじゃなかったのに…。
次は、2週間後、年明けの定期調査3回目…かな。

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