2013年6月2日日曜日

電子書籍 各ストア 出版社別 冊数調査(2013/06/01)

 こんばんは。
  毎月恒例、電子書籍配信数調査の報告です。

調査開始からの推移

まず、昨年末からの推移です。

 3月、4月は、紀伊國屋での小学館コミックの配信開始、Bookwalkerでの角川グループ外出版社の配信開始がありました。それに対して、この1ヶ月間はどのストアも大きな動きはなく安定して増加させています。


 前から少し気になっていたのですが、Koboの配信数は、毎月、月末付近に増加することが多いです。
 これ、なにか事情があるのでしょうか。
 出版社別で見ると、秋田書店、角川書店、集英社、中央公論新社などが、Koboに対する月末の配信開始が多いようです。それらが積み重なって、「Koboは月末に配信開始が多い」という傾向になっているようです。

配信増加数推移




 こちらのグラフでも、5月の配信増加数は安定していた様子が見て取れます。
 ここ数ヶ月は増加が多かった紀伊國屋書店・ebookjapanも、他ストアと同等の増加数になっています。これらのストアは、だいたい2,000冊台です。
 Bookwalkerは、約1,200冊と、角川グループ専業だった時期に比べると増加数も増えていますが、配信出版社数が少ない分、他のストアよりは少なめです。

 5月に最も配信数が増えたのはKoboでした。
 Koboは、後発組で、他のストアを追いかける立場なので、こんなものでしょうか。

増加数

 この1ヶ月間の増加数の内訳です。


 講談社、小学館、集英社あたりは、どこのストアに対しても、数百冊ペースでコンスタントに配信を増しているようです。
 小学館については、5月は、Reader Store、紀伊國屋への配信開始が多かったです。
 秋田書店は、Kindle、Koboの後発2ストアに対して、ほぼ同じように増やしていっています。


配信数内訳






 現状の配信数内訳です。
 小学館については、徐々に、ストア間の差がなくなってきているように感じます。今年3月の調査で、Kindleへの配信が他のストアを抜き、そのまま、追い抜いていくのかと思っていましたが、そうはなっていないようです。
 数ヶ月前の結果と比較すると、たとえば、角川書店なども、ストア間の差が縮まってきており、各出版社、全方位作戦を取り始めたのかな…という傾向を伺わせます。

 個人的には、どのストアでも多くの本を買える形になるのは、悪くない傾向かと思っています。その一方、どこで差別化するか、ストアの方は難しいと思いますが。


各ストア未配信出版社状況

 各ストアで未配信の出版社です。
 未配信の出版社と、数が少ない(30冊未満)出版社を見ています。
 【各ストア未配信出版社(2012/06/01現在)】
Reader Store:筑摩書房
GALAPAGOS STORE:角川書店,富士見書房,アスキー・メディアワークス,筑摩書房,エンターブレイン
紀伊國屋:ソフトバンククリエイティブ
ebookjapan:ゴマブックス,新潮社,(中央公論社15)
Kindle:白泉社,筑摩書房,岩波書店
Kobo:徳間書店,筑摩書房,岩波書店,(東京創元社18)
Bookwalker:徳間書店,光文社,双葉社,学研,中央公論社,ゴマブックス,新潮社,文藝春秋,祥伝社,白泉社,NHK出版,早川書房,筑摩書房,岩波書店,幻冬舎,河出書房新社,東京創元社,扶桑社,二見書房,(集英社27,PHP研究所14,主婦の友社24)
BookLive!:筑摩書房

【配信開始分(2012/05/04→2013/06/01)】
ebookjapan:筑摩書房(0→343)
 今月は、配信出版社状況にも、ここ数ヶ月ほどの大きな変化はありませんでした。
 唯一の変化は、ebookjapanで筑摩書房の配信が開始されたことです。343冊というのは、他ストアとほぼ同等の数字になります。
 筑摩書房は、未配信のストアが多い出版社なので、結構、大きいかも知れません。


まとめ

  • 5月は、各ストア、落ち着いたペースで増加中。
  • Kobo、毎月、月末の追い込みが多いのは不思議。
  • 小学館、角川など、ストアについて全方位作戦を取り始めているかもしれない。
  • ebokjapanで筑摩書房配信開始。

以上です。
 

4 件のコメント:

  1. iBookStoreの調査はされないのでしょうか?

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  2. 残念ながら、検索結果に件数が出ない&日本の本と海外の本が区別できないので、できないのです。
    非常に気にはなっているのですが…。

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  3. 自分も出版社別に紙の書籍で売れている本で検索してみましたが、配信数で勝っているebookjapanよりBookLive!のほうが明らかに扱っている種類が多かったです。
    そのため紙の書籍で売れている本の取り扱い件数の調査もあるといいと思いました。

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  4. Booklive!は、検索結果にタイトル数しか出ないので、ebookjapanと直接の比較はできないのです。
    タイトル数も出るhontoとの比較で見ると、hontoと同等程度(≒トップクラス)かな…と想像してはいます。
    実際、どうなのかはよくわかりません。

    また、ebookjapanは、つい最近まで(ほぼ)漫画専業で、漫画の品揃えは非常に良い一方、漫画以外の品揃えは他ストアに劣っています。

    そういったところで、やはり、なかなか、実感とあう結果を一発で出すのは難しいのかな…と感じています。
    この結果もあくまでも参考程度に見て頂くものだと思っています。

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