月に一度の配信数調査結果です。
配信数推移
調査開始からの21出版社配信数の推移です。
おおむね、これまで通りの傾向で、先行ストアはゆるやかに、後発組はある程度のペースで増えていっています。後発組でも、Koboより、Kindleの増加がめざましいでしょうか。
一つの出来事としては、ebookjapanが紀伊國屋に追いつきました。ebookjapanは漫画中心、紀伊國屋は一般書が多めと、傾向が両極端な2社なので、数で比較しても仕方がないとは思いますが。
Bookwalkerが今週に入って、ピョコッと増えているのも特徴的です。これについては、最後の「未配信出版社状況」のところで述べます。
先月、ゴマブックスの配信を停止したことで、配信数が減ったGALAPAGOS STOREですが、今月に入って、同社の配信が復活していました。
配信停止前の配信数(1/26時点)は1,094冊でした。他ストアでは1,,400冊前後を配信していたため、この数字は、他よりも少なめです。それが、2週間ほどの配信休止をはさんで、他ストア同等の1,446冊に増えています。
おそらく、配信数を増やせるような何らかの変更、たとえば、ファイル形式の変更などがあったのではないかと推測されますが、詳細は不明です。
このあたり、できれば、ちゃんと告知していただけると、ありがたいと思います。
また、ebookjapanでは、「値段改定」「分冊版の1冊版への切り替え」のために、一時的に、何社かの配信を停止していましたが、こちらも、当初の予定通り、2月になって配信が復活しています。
こちらは、ちゃんと告知がなされています。
配信数内訳
各出版社の内訳です。
紀伊國屋とebookjapanが配信数では並びましたが、内訳はだいぶ違います。紀伊國屋の方が出版社が多岐にわたり、ebookjapanは漫画系の出版社が中心になっています。特に、小学館については、ebookjapanで全ストアで最も多く配信している一方、紀伊國屋では小学館のコミックを配信しておらず配信数は少ないです。
ちょっと大きな出来事かな…と思ったのは、小学館について、Kindleでの配信数が、Reader Store、GALAPAGOS STOREでの配信数を上回りました。
Kindleが6,670冊、Reader StoreとGALAPAGOS STOREが約6,300冊ですので、「追いついた」ではなく、「追い抜いた」と言っていいと思います。
Kindleは順調に配信数を増やしていますので、今後、こういった形で、他のストアに追いついて(または追い抜いて)いくかと思います。その第一弾が小学館だったという状況です。
配信増加数内訳
1ヶ月間の増加数の内訳です。
このグラフでは、GALAPAGOS STOREとebookjapanの配信再開については、除いてグラフ化しました。
小学館・集英社の増加数が目立ちます。このあたりは、調査を開始した昨年末頃とはだいぶ様子が変わってきていると思います。
講談社も、いつも通り、着実に増やしています。
また、honto、Kindle、Koboでは、秋田書店が増加しています。これらのストア、特にKindleとKoboでは、もともと、秋田書店の配信数が少なかったので、追いつくための動きのようです。
配信増加数推移
配信増加数の月別の推移です。
こちらも、GALAPAGOS STORE、ebookjapanの配信休止は除いてあります。
Koboが、少しペースを落とし気味かもしれません。Kindleは順調に増加ペースを維持しています。
未配信出版社状況
【各ストア未配信出版社(2012/03/02現在)】
Reader Store:筑摩書房
GALAPAGOS STORE:角川書店,富士見書房,アスキー・メディアワークス,筑摩書房,エンターブレイン
紀伊國屋:ソフトバンククリエイティブ
ebookjapan:光文社,ゴマブックス,新潮社,筑摩書房 (PHP研究所1,中央公論社15,アスキー・メディアワークス25)
Kindle:徳間書店,白泉社,筑摩書房,岩波書店,(少年画報社22)
Kobo:徳間書店,光文社,白泉社,筑摩書房,岩波書店,(東京創元社10)
Bookwalker:小学館,徳間書店,光文社,集英社,双葉社,学研,中央公論社,ゴマブックス,新潮社,文藝春秋,祥伝社,白泉社,NHK出版,早川書房,筑摩書房,岩波書店,幻冬舎,朝日新聞出版,河出書房新社,東京創元社,扶桑社,二見書房,少年画報社,(PHP研究所12,主婦の友社23)
Booklive!:筑摩書房
【配信開始分(2012/02/02→2013/03/02)】
GALAPAGOS STORE:ゴマブックス(配信再開。1094→0→1446)
Kindle:河出書房新社(0→392)
Kobo:新潮社(0→108)
Bookwalker:秋田書店(0→434)、PHP研究所(0→12)
Kindleで河出書房新社が、Koboで新潮社が配信を開始しています。
そして、Bookwalkerでの秋田書店配信開始も大きな出来事です。Bookwalkerでは、今週、講談社も、86冊→618冊と大幅増をしています。ほぼ角川グループ専業だったBookwalkerが、他社作品の配信にも本格的に乗り出していくようです。
まとめ
- GALAPAGOS STOREでのゴマブックスの配信が復活。
告知をちゃんとしてくれると嬉しいな(-。-) ボソッ - 21社配信数で、ebookjapanが紀伊國屋に並んだ。
…けど、まぁ、だからどうということはないと思う。 - 小学館の配信数で、Kindleが、Reader StoreとGALAPAGOS STOREを越えた。
- Bookwalkerは、他社作品の配信を本格的に開始。
以上。
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