2013年2月2日土曜日

電子書籍 各ストア 出版社別 冊数調査(2013/02/02)

 こんばんは。
 前回の報告から、1ヶ月立ちましたので、定期調査の結果を書きたいと思います。
 11月に調査開始してから3ヶ月が立ちました。そこで、今回は、各ストアの増加の傾向を見てみたいと思います。

現状把握


 まず、配信数の現状把握です。
 毎回出している積み上げ方式のグラフから。
 

 あまり変化がないので、「毎回出す意味があるのか」という気が、ぼちぼちしてきました。

 

 それもあり、今回は、積み上げでないグラフをお見せしたいと思います。
 (Google+の「電子書籍Lovers」コミニュティにて鷹野凌さんから示唆をいただきました。ありがとうございます)




 全社載せると、ぐちゃぐちゃになって、とても見れたものではないので、上位だけ。  

 講談社、集英社、秋田書店は、全ストアに安定して出していることがわかります。3出版社とも、後発のKindle・Koboでは少ないですが、単純に作業が間に合っていないだけだと思います。
 そのうち、先発と後発の差は、講談社・秋田書店が大きめ、集英社が小さめです。以前から積極的に配信している講談社と、Kobo・Kindleの上陸にあわせて力を入れはじめた集英社の差が出ているように思えます。
 角川書店も、比較的安定して配信していますが、GALAPAGOS STOREにだけ配信していないのが特徴的です。また、自社運営のBookwalkerはさすがに多めです。
 徳間書店は、hontoで配信が多いのが特徴ですが、これは、漫画の1話単位での配信をしているためのようです。

 小学館は、ストアによる差が大きいのが特徴です。一番多いのが、ebookjapanで、だいぶ差が開いて、honto、ReaderStore、GALAPAGOS STORE、Kindle、Koboと続きます。紀伊國屋では、小学館のコミックを配信していないため、数が少なくなります。
 小学館については、Kindleと、Reader Store、GALAPAGOS STOREの差が、かなり小さくなってきています。

配信数推移


 続いて、昨年11月の調査開始から4ヶ月間の配信数推移です。


 Kobo以外の各社は、基本的には大きな動きはなく、淡々と増やしていっています(ebookjapanの減少については最後に述べます)。
 この一ヶ月の特徴的な動きとしては、昨年12月に大幅に配信数を伸ばしたKoboが、12月最終週から4週間にわたって、増加ペースが鈍ったことでしょうか、しかし、1月26日の調査では、また、大幅に配信数を増やしました。
 この増加の詳細については、あとで書きたいと思います。


 GALAPAGOS STOREは、今週、配信数を減らしています。これは、ゴマブックスの配信がなくなっていることが原因のようです。これまでの調査では約1000冊を配信していたゴマブックスですが、出版社名検索からも名前がなくなっているため、おそらく、配信停止ということでしょう。
 ebookjapanも、今週、配信数を大幅に減らしていますが、こちらは、「値段改定」「分冊版の1冊版への切り替え」のために、一時的に、配信を停止しているためのようです。どちらも2月上旬に販売を再開するとのことです。その時期になれば、また、回復すると思います。(同社からの「お知らせ」)

増加数の詳細 

この1ヶ月間の増加数の内訳です。


 特徴としては、小学館が非常に目立っています。
 この傾向は、先月から続いています。これについても、よりわかりやすいグラフをあとで載せます。

3ヶ月間増加内容

調査開始からの3ヶ月間、各月の増加数推移をまとめてみました。



この3ヶ月間で最も目立つのが、Koboの12月の大量投入でしょうか。小学館、秋田書店、中央公論新社、双葉社などの配信が開始され、一気に、配信数が1.5倍になりました。このときの詳細については、当時のエントリーに書きましたので、そちらもご覧ください。
 それ以外については、先発ストアは1ヶ月に1000冊台後半、後発ストアについては3000~4000冊ぐらいの増加数で落ち着いているようです。

 上の推移グラフで見たように、昨年末から4週間、増加ペースが鈍っていたKoboですが、今年1月の合計で見ると、他の後発系ストアや以前のKoboと同程度、かなりの増加数になっています。

 では、増加数の内訳から、後発ストアが、どのように追い上げているのかを見てみたいと思います。



 全ストア載せると見にくいので、Kindle、Koboと、先発ストアの一例としてhontoを載せました。

 先発ストアhontoは、グラフが非常にカラフルで、多くの出版社から、バランスよく増加しているさまが見て取れます。

 後発ストアの増加では、昨年12月・今年1月は小学館が非常に目立ち、1月に至っては、半分近くが小学館に占められています。
 ちなみに、1月第3週に、Koboの増加ペースが回復したのも、小学館から大量の配信開始があったためです。
 この増加によって、小学館の作品のKindleでの配信数(約5,300冊)は、Reader StoreやGALAPAGOS STORE(ともに約5,800冊)に並びつつあります。Koboはまだもう少しですが(約4,300冊)、今の増加ペースなら、近いうちに追いつける差です。(ただし、その上にはhonto約7,500冊、ebookjapan約11,000冊がいます)。

 その他には、Kindleの11月・文藝春秋、12月・中央公論新社、Koboの12月の各社のように、配信開始時にドバッと増加する例が多いようです。


 ほかには、やはり講談社が目立ちます。
 講談社は、徐々にペースが落ち着いているとは言え、今年1月の数字で、先発ストアで1ヶ月200~300冊に対して、Kindle、Koboで1ヶ月800冊ほど増加しています。ただ、配信数の差はまだ大きく、先発ストアが約12,000冊配信しているのに対して、Kindle、Koboは7,500冊なので、まだ、追いつくには時間が掛かりそうです。
 このあたりは、最近力を入れ始めた小学館と、もともと積極的で、先発ストアに多く配信している講談社の違いが出ています。

 集英社については、上でも述べたように、そもそも、配信数の差がそれほど大きくない(先発ストア約3,500冊、後発ストア約2,500冊)ため、増加数の差もそれほどありません。

 Kindleのグラフは、今年1月になって、hontoと似た雰囲気になってきたように感じます。
 オープン直後の「未配信だった出版社の配信開始でドバッと配信数が増える」ということがなくなり、安定して書籍が増えるモードに入ってきたのではないでしょうか。

未配信状況

各ストアの未配信出版社状況です。
【各ストア未配信出版社(2012/02/02現在)】
Reader Store:筑摩書房
GALAPAGOS STORE:角川書店,ゴマブックス,富士見書房,アスキー・メディアワークス,筑摩書房,エンターブレイン
紀伊國屋:ソフトバンククリエイティブ
ebookjapan:光文社,ゴマブックス,新潮社,筑摩書房 (PHP研究所1,中央公論社15,アスキー・メディアワークス25)
Kindle:徳間書店,白泉社,筑摩書房,岩波書店,河出書房新社 (少年画報社(21))
Kobo:徳間書店,光文社,新潮社,白泉社,筑摩書房,岩波書店 (東京創元社9)
Bookwalker:小学館,徳間書店,秋田書店,光文社,集英社,双葉社,学研,中央公論社,PHP研究所,ゴマブックス,新潮社,文藝春秋,祥伝社,白泉社,NHK出版,早川書房,筑摩書房,岩波書店,幻冬舎,朝日新聞出版,河出書房新社,東京創元社,扶桑社,二見書房,少年画報社,(主婦の友社22)
Booklive! 筑摩書房
※カッコ内は配信数が著しく少ないもの(30冊未満)を示した。
先月の更新時に、Booklive!の筑摩書房未配信を見落としていたようです。
 Kindle、Koboともに、まだ、ある程度の未配信出版社があるので、ここが配信を開始すれば、また、先発ストアとの差がさらに縮まるのかな…と思います。
【配信開始(2012/01/05→2013/02/02)】
Kindle:祥伝社(19→94)
Bookwalker:主婦の友社(0→22)
【配信停止(?)(2012/01/05→2013/02/02)】
GALAPAGOS STORE:ゴマブックス(1094→0)
 ゴマブックスがGALAPAGOS STOREでの配信を停止しているのが大きな異動でしょうか。
 その他、先月、Kindleで配信開始した祥伝社が、着実に配信数を増やしていることがわかります。

まとめ

  • Kindle、Koboのような後発ストアの増加ペースが速いのは、新規配信出版社がドバッと一気に入ってくることによるものが多い。
    今は、小学館が多い。
  • Kindleでの配信数増加の仕方が安定モードに入ってきたかも。
  • GALAPAGOS STOREでのゴマブックス配信停止か。
以上。

【謝辞】
 Koboの出版社別蔵書数については、[帰ってきた] koboストアの品揃えを見守るページのデータを使用させていただいています。
 ありがとうございます。

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